工法の紹介

EQM工法
(RC床版の補修・補強)

ジョイント付近の損傷状況

ジョイント付近の橋梁床版はジョイントの段差による荷重変動やコンクリートとアスファル トと強度差により,ジョイントから2.0m付近は大きな損傷を受けています。場合によっては抜け落ちに発展する可能性があります。このようなRC床版の部分補修には「EQM工法」で補修します。

従来の補修技術では、「割れ」や「はく離」が生じることがある

従来の補修技術は,RC床版の損傷箇所をブレーカで斫り,撤去し ,ポリマーセメント系モルタルを直接打ち込む方法で補修が行われてきました。この補修法は現在も多くの道路橋で行われています。しかし,この補修法は薄層補修であるために「割れ」や「はく離」が生じることもあります。

EQM工法

施工時に発生するひび割れに「 浸透性KSプライマー」を塗布し, 微細なひび割れに浸透させてコンクリート面を強固にします。

既設床版コンクリートと補修材との付着性を高めるために「KSボンド」を塗布し,は く離を抑制します。この接着剤は接着性を高め接合面のズレ(一面せん断)に対しても効 果を発揮します。

補修材の割れを抑制するために、リフレモルセットSF, SPF材には「ビニロン繊維」を混入し,さらに「静弾性係数」を既設床版と同等レベルに最適化し、割れにくい材料としました。

RC床版の30mm程度の薄層補修に用いる基本的な材料は,「浸透性KSプライマー」,「 KSボンド」、「リフレモルセットSF ( SP)およびジェットコンクリート」です。 (これ以外の材料は耐疲労性の評価はしていません。)

EQM工法は、RC床板の上面の「部分・全面補修」、「SFRC上面増厚補強」、「PCM下面 増厚補強」など小規模から大規模の補修・補強が可能です。

輪荷重走行疲労実験(日本大学生産工学部)

輪荷重走行疲労試験

RC床版上面にリフレモルセット SF,2種類の接着剤を塗布して補修した等価走行回数は, 無補修のRC床版の1.73倍,小径骨材を配合したコンクリ ート供試体は2.03倍となり,耐疲労性が評価されております。また, SFRC上面増厚補強法においても増厚界面ではく離することなく耐疲労性が評価されています。

水張り試験による輪荷重走行疲労実験

走行面に凹凸が見られるものの,割れやはく離は見られない結果が得られています。これは低弾性モルタルに配合した有機繊維および浸透性KSプライマーとKSボンドの付着力により,一体性が得られた結果であると考えられます。