NETIS番号　TH-220003-A

RC床版の再劣化

既に下面から補強が施されたRC床版は再劣化が生じています。とくに，鋼板接着補強したRC床版は、橋面や下面の損傷は軽微ですが，内部のひび割れ損傷が著しい傾向にあります。

再劣化したRC床版の補強対策としては取替RC床版が適しています。

取替RC床版

取替RC床版の継手構造は，配力筋端部には円形（特許），主筋には三角形状（特許）の突起を設け、コンクリートとの付着力を高める構造です。

継手部の引抜き試験においては，鉄筋以上の付着強度が得られております。

取替RC床版に配置する場合は主筋の内側に配力筋が配置されることから，かぶりは鉄筋と同様です。

片側車線規制のもとで施工する場合は、プレキャスト床版は並列した軸直角方向と反対車線側の2方向に継手構造を設けた間詰部が必要です。幅員全幅にプレキャスト床版を設置する場合は橋軸直角方向のみの間詰部を設けます。

輪荷重走行疲労実験

RC床版と取替RC床版AおよびBの等価走行回数を比較すると両取替RC床版ともに22倍以上となり、間詰部が弱点とならず，耐疲労性が向上しました(乾燥状態)。

プレキャストRC床版の制作

• RC床版の形状に合わせて鋼製型枠を製作します。鉄筋配置し，順次配合に合わせてコンクリートを打ち込み養生します。 (現場に近い工場で製作)。
• プレキャストRC床版の最大寸法はトラックの荷台寸法を考慮します。
• 施工日に合わせて，架設現場までトラックで輸送します。

既設RC床版の撤去作業

• アスファルト舗装の撤去作業を行います。
• 床版支点用仮設桁を設置し，搬出用クレーンの能力に合わせ、既設床版を切断します。
• RC床版の撤去は，一般的には山留め仮設材とセンターホールジャッキを用いて撤去します。
• 撤去後，主桁の補修および新設プレキャストRC床版を設置・調整の後，スタッドジベル筋の切断作業を行います。(15mの橋梁で片側車線6時間)