工法の紹介

荷重分布型ジョイント工法

荷重分布型ジョイント

荷重分布型ジョイントは、下面に荷重分布型鋼板を設け,RC床版に輪荷重を分布させることで,RC床版への負担を軽減させ,耐久性の向上を図る伸縮装置です。

既往のジョイント構造は既設RC床版にドリルで孔を開け、ジョイントに配置されてい る鉄筋を差し込み、設置する工法です。したがって、荷重は鉄筋を通じて床版に集中荷重として作用します。

一方、荷重分布型ジョイントは、荷重分布鋼板を設けて既設床版には分布荷重として作用させる構造であることから、全体の耐荷力性能が向上します。

施工も既設ジョイントの設置に対して、4 角をアンカーボルトで設置するだけであるこ とから、施工時間の大幅な短縮が図られます。

標準タイプと雪国タイプ

荷重分布型ジョイントは,「荷重分布型ジョイントには,「標準タイプ (J-W-A)」「雪国タイプ(J-W- B)」の2タイプがあります。雪国タイプの誘導版寸法および形状等は設置地域の規定に拠して制作する必要があります。

施工

施工の特徴は,旧ジョイント撤去時に発生するひび割れやアンカー筋の打ち込みによるひび割れを浸透性 KSプライマーで補修した後に設置します。打ち継ぎコンクリートの付着力を高めるためにKSボンドを塗布します。また,アンカーボルトとアンカー筋で固定します。施工の省力化が可能です。

床版とジョイントの隙間には流動性が高い「フィルコンSスーパー」,コンクリートには「ジェットパック」を用います。移動式プラントの場合は「ジェットコンクリート」を用いることで施工性も良く,短時間施工が可能になります。

旧ジョイントとの交換,耐荷力性能の向上を図るためには, EQM工法と併用することを提案します。

静荷重・定点疲労実験

静荷重実験による荷重集中型ジョイントの耐荷力に対して荷重分布型ジョイントは、1.4倍の耐荷力が向上しました。コンクリートおよび荷重分布鋼板の表面に浸透性KSプライマーとKSボンドを塗布した供試体の耐荷力は1.6倍向上しました。

定点疲労実験においては、荷重分布型ジョイントの等価走行繰り返し回数が大幅に向上し、交通量の多い地方道においても実用的であると考えられます。

破壊状況においても、荷重分布型ジョイントは荷重分布鋼板を介して既設床版の広範囲に分布しているのが確認されました。

施工例

熊本市 荻原町の砂取橋(延長 11.0m)